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理紫と初めて出会ったのは4年前ーーー。 高校の入学式。 校庭にあった大きな桜の樹の下だった。 桜が舞い散る中、そのヒトはそこにいた。 春風の中、顔にかかる長めの前髪を直そうともしないそのヒトを見つけた海月は、その場から動けなくなってしまった。 色素の抜けた様な薄茶の髪。 シュッとキレたアーモンドの形の瞳。 すぅーっと1本、線が入った姿勢の良い高い背。 心臓が早鐘の様に打つ。 その時、突風が吹いて、ザザザーッと桜の樹を揺らした。 舞い上がる桜の花びら。 次の瞬間…、 そのヒトが、ゆっくりと、こちらを、見た。 そして、甘やかに、蜂蜜がとろける様に笑った…! 思わず息を飲む。 その時、確かに時が止まったと思った。 けれど、そう思ったのは海月だけの様だった。 「サト~、遅れてごめんね~!」 ふっ、と頬を掠める長い髪。 笑いかけた笑顔は、海月の後ろから駆け寄った、この長い髪のオンナノコへのモノだった。 「大丈夫だよ。俺も今来たトコ」 もう1度、その蜂蜜がとろける笑顔で彼女に笑う。 そうして、2人で並んで校門から出て行った。
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