14874人が本棚に入れています
本棚に追加
/640ページ
「しょうがないじゃん。サトはいっつも忙しいから…」
「…へぇ」
いつの間にか背後から忍び寄った真理が、両拳で阿部のこめかみをグリグリとする。
「イテッ!イテテテテッ!」
「アンタ、よくも嘘ついてくれたわねぇ…」
「真理ちゃん!」
「おー、真理さん」
「…遅いよ、もう始めてるからね」
口々に言われて、真理はにこやかに応対するが、阿部へのグリグリはやめない。
「痛いっ!痛いって!」
「阿部、『ごめんなさい』は?」
「わ~~!ごめんなさいっ!ごめんなさいって!」
何が何んだか分からず謝る阿部に、真理はフンっと鼻をならした。
最初のコメントを投稿しよう!