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私の知らない事ばかり…。 言われる事を言葉のままに信じて、本当は何も分かってなかった。 「サトは小学校の時からずっとナショトレだったし、断ってたらしいけど、年代別代表の候補にも上がってたしね~、レベルが違うよな…。…てっ…つ!」 杉浦がまた、ガツンッと阿部の後頭部を殴る。 「スギっ!おまっ、ガツガツ叩くのいい加減に…」 「いい加減に黙るのはおめぇだよっ!バカっ!」 杉浦の怒鳴り声に、阿部は黙り込む。 「サトが何ンで黙ってたのか考えろっ!サトからじゃなく、お前の口から聞く海月ちゃんの気持ちも考えろよ!」 「スギ…」 「…ハジ、お前の頭ン中、ノーミソ入ってんの?」 杉浦は、何杯目かのジョッキを飲み干して、ダンッ…とテーブルの上に置いた。 「ごめん…」 阿部がしょんぼりして謝ったその時、 「…そこで終わられても困るなぁ」 ずっと話を聞いていた菜花が会話に入ってくる。
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