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けれど、見ていてくれる人は沢山いるものだ。
それ程に、理紫のプレイは見る人を惹きつける。
高1の時から声をかけてくれていた【西東京レヴァンティン】の他にも、理紫に有利な待遇で欲しがる社会人チームや大学は多々あったから、そのどれかの道を理紫は選ぶと杉浦と阿部は思っていた。
それなのに…。
「親が行けっていうトコを受験して、そこでサッカーするって言ったんだよな…」
あれ程、高校を卒業したら親のいいなりにはならないと言っていたのに。
気になったのは、その時に、
「サッカーはどこでも出来るから…」と言った理紫の言葉。
何度も「それでいいのかよ!」と問い詰めたが理紫は薄く微笑うだけで…。
そこまで話すと、杉浦はじっ…と海月の瞳を見つめた。
「2週間後がU-23の移籍期限で、兼ね合いもあるから、来週末までに決めてくれって言われてるらしい…」
「本当かよっ!?スギっ!」
初耳だよ、と阿部が声をあげる。
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