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「…と言うことは、海月ちゃんが理由じゃないって事か」 杉浦が考え込むように言った。 「じゃあ、サトのヤツ、ここに来て何が原因で踏み切れないでいるんだ?」 『やっぱり、家か…』ブツブツ言う杉浦に対して、 「海月に決まってるでしょ…」 今まで黙っていた菜花が、一言言い放つ。 「まぁ、徳井のバックボーンが分かって良かったわ。ちょっと、理解不能なトコがあったからね」 「黒来…、お前?」 驚く杉浦に菜花がちょいちょいと手招きをして耳打ちをする。 「アイツが本当に欲しいモノには恐ろしく気が長くて、粘着質なのはスギも分かってるでしょう?」 杉浦はハッ…と気付いた様にもう1度海月を見た。
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