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「…やっぱり、何かあったでしょ?」
シャワーを浴びて出てきた理紫は、ローテーブルに広げられた料理を見て目を丸くした。
「えっ、今日は1日家にいて、暇だったから…」
ギクリ…として声が上擦る海月を「ふぅん…」と言って理紫はチラリと見る。
「ほっ、本当だよ?」
「…まさか海月、可愛い事考えてないよね?」
可愛い事…?
海月がキョトンとすると、理紫がガシガシとタオルで頭を拭いた。
「…まぁ、いいや。こんなに沢山うまそうなの作ってくれたんだから、冷めないうちに頂くよ」
そう言うと、ローテーブルの前に膝を立てて座る。
「うん、そうして。早くしなきゃ、バイトに遅れちゃうし…」
海月がキッチンへ向かって、
「急いで、ご飯装ってくるね」
と理紫の横を行き過ぎようとすると、グイッ…とその手を引かれた。
「ひゃ…っ!」
バランスを崩して、海月は理紫の上に倒れ込む。
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