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キラキラ…、トロトロ…。
黄金色に煌めいて、切ない程に甘く、海月の全てを蕩(とろ)けさせてしてしまう様な…。
うっとりと見つめてしまう海月は、自分こそ、こんな時どんな顔で理紫を見つめているのかを知らない。
それが、どんなに理紫の心をざわめかせるか…。
「海月…」
理紫の瞳に艶(つや)めいた火が灯る。
「キスして、いい?」
海月の頬が熱くなった。
「言わ…ないで…」
きっと理紫は、海月が恥ずかしがると、分かってて言っている。
本当に、意地悪…。
理紫は俯いてしまった海月の顎を捕らえると、ゆっくりと自分の方を向かせた。
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