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「そんな…っ!阿部くんもスギくんもすごく心配してたっ!今は悩んでいるけど、きっと今回は行ってくれるっ…て!」
海月は懸命に訴えるが、理紫は何も聞こえていないように携帯を取り出す。
「うわっ!まず…っ!海月、俺、本当に行くわ」
時間を確かめると、自分のリュックを肩から下げて、
「じゃ、いい子で待っとけよ?」
そう言って玄関に急いだ。
「理紫…っ!」
海月も後を追うが、理紫はさっさと靴を履いて外へと出て行ってしまう。
「…理紫ったらっ!」
「ちゃんと、鍵、閉めとけよ」
少し開いた隙間から、そう声が聞こえてバタン…とドアが閉まった。
海月は理紫の出て行った玄関を見つめる。
どうして…?
海月には理解する事が出来ない。
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