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店に入ると、カウンター内でカップを拭いていた唯奈に「久し振り~」と手を振られる。
海月は少し気持ちがほぐれるのを感じた。
閉店までは後1時間弱。店内を見回すと客は疎らだ。
すると唯奈がカップを置いて、パタパタと海月の傍に寄って来た。
「みぃちゃん!いきなり辞めちゃうから心配したんだよ~!」
海月の手を取りながら、ぶんぶんと振る。
「唯奈ちゃん…」
「…そんなに学校大変なの?」
それを聞いて、海月は学校が忙しくて辞めたという事になっているらしいと分かった。
「みぃちゃん、早く戻って来てよ~!」
その言葉に対して海月が曖昧に頷くと、桐谷が「はいはい…」と、唯奈を制する。
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