21.

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「みぃちゃんは、僕と話があって来てくれたんだからね。田中さんはちゃんと自分の場所に戻って」 「えぇ~!ズルいですよっ、マスターだけ!」 「…ズルいじゃないよ。まだお客様いらっしゃるでしょ?」 桐谷に人差し指を口元に立てながら言われて、唯奈はハッ…として自分の口を押さえた。 そして海月とマスターを見比べながら、渋々とカウンター内へ戻って行く。 桐谷は苦笑しながら、それを見届けると海月に向き直り、 「じゃあ、あそこで座って待ってて?」 と、奥の4人掛けの席を指を差した。 「…はい」 『お仕事中なのにすみません…』と、海月が頭を下げる。 すると桐谷が、 「…いいんだよ。本当はもっと早く来るかなって思ってたんだから」 …と言って、海月に微笑んだ。
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