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「サトに無いのは、あとは実績だけなんだよ。サッカーは1人じゃ出来ないからね」 確かにサッカーが分からない海月でも、見ていて理紫が飛び抜けて上手なのは分かっていた。 ただ、それを維持しているのは、誰よりも努力していて、誰よりもサッカーが大好きで…。 「だからもっと名のある学校に行っておけば今頃…と、本当に思うよ」 『サトなら、高校だって大学だって、話が無かった訳じゃない筈なのに…』 呟く様に言う桐谷に、本当に理紫の事を思ってくれているんだ…と、海月は実感する。 「…理紫の事、好きでいてくれてるんですね」 それを聞いた桐谷が海月の事を見て、フッ…と笑った。 「好きというか…、サトのプレイに魅せられてる」 何んて、最高の誉め言葉なんだろう…。 海月は胸がほんわりと暖かくなるのを感じ、自分の事の様に嬉しくなった。
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