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「じゃあ、またね~!マスター、家までありがとうございました!」
「お疲れ様、また明日もよろしく頼むよ」
唯奈が後部座席から降りてドアを閉めようとするが、何かを思い出したように「みぃちゃん、みぃちゃん」と、海月に手招きをした。
「なぁに?」
顔を寄せた海月の耳元に手を添えて内緒話をする。
「何があったか分からないけど、マスターの事、もう許してあげてね?」
海月はドキン…として唯奈を見る。
「マスター、みぃちゃんが好き過ぎて、焦って大失敗したって言ってた。焦ったって、きっとあのイケメンにでしょ?」
「田中さん…」
桐谷は運転席でハンドルにおでこをコトン…と当てると、
「丸聞こえ…」
と言って脱力した。
「だぁって、マスター焦れったいんだもん。」
唯奈がペロリと舌を出す。
「みぃちゃんもさ、この間のイケメンもいいけど、マスターも相当いいと思うよ。私はマスター推しだからね、頑張ってね~!」
言いたい事を言って、思い切り手を振ると、バンッ…と、ドアを閉めて家の方へと駆けてゆく。
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