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「…ウチはやる気さえあれば充分だよ」
そう言うと、立ち上がって海月に手を差し出した。
海月も急いで立ち上がると、その手を取る。
桐谷は笑顔のまま、海月の瞳を見つめると、
「…《クルーゼ》へようこそ」
そう言って、海月の手を握り返した。
見つめる窓の外を景色が流れてゆく…。
「…僕はあの時の事を忘れる事は出来ないよ。何かに傷付いているみぃちゃんを放っておく事は出来なかった」
言われて、海月の胸はツキン…と痛んだ。
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