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…あんな事をされなければ、まだ《クルーゼ》に居られたのに。
「そうだね、本当に悪いと思ってるよ。謝って許してくれるのなら、何度でも謝りたい…。
僕にはもう、あんな事は2度としないって誓う事しか出来ないけど、でも、みぃちゃんが許してくれるのなら、また店に戻って来て欲しいって、いつも思ってる」
「そんなこと…!」
桐谷の気持ちまで知ってしまった今、戻れる訳なんかない。
「田中さんにはよく言っておくし、僕も当たり前だけど、みぃちゃんに気持ちを押し付けたりしない。今まで通りに戻りたいだけだよ。…あぁ、この辺だったよね?」
そこの角を曲がると海月のアパートはもう直ぐだ。
ウィンカーの音がカチカチと響く。
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