14874人が本棚に入れています
本棚に追加
こっちは真剣なのに…。
思った途端、横からグイッ…と腕を引かれた。
「痛っ…」
「…もう1度言ってみろよ」
理紫の低い声に身体がビクッと震える。
振り向けない…。
振り向かなくても分かる…、すごく怒ってる。
でも、海月も負ける訳には行かなかった。
「離してっ…」
「やだね」
振り解こうとした手は、逆にもっと強く掴んで引かれ、そのまま身体ごと理紫の腕の中に抱き込まれる。
「離してってばっ!」
「…数時間前に『別れたくない』とか、可愛い事を沢山言ってた同じ口で、よくそういう事言えんね?」
そう言うと、暴れる海月をひょいと肩に担ぎ上げた。
最初のコメントを投稿しよう!