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理紫はそのまま、身体を翻すと海月の部屋の方へ歩き出す。
海月が桐谷の方を見るとバイバイと、手を振るのが見えた。
理紫の肩で揺られながら、海月は頭だけでペコリ…とお辞儀をすると桐谷が笑いながら車に戻って行った。
その姿を見送ると、
「…いつまでも見てんなよ」
理紫が不機嫌そうな声を出す。
海月がクスッ…と笑って、
「理紫、妬いてるの?」
と聞くと、パチンとお尻を1回叩かれる。
「痛…っ!」
「…いい気になんな」
理紫が階段を登りきったところで、桐谷の車のエンジン音が聞こえて走り去ったのが分かった。
それを聞いて、理紫はため息を吐く。
「…俺、忘れてたわ。見かけに騙されるけど、海月が本当は気が強くて、自分がこうと思った事には行動力もあるって事」
そう言って、海月の部屋の前で、ポケットから前に預かったスペアキーを取り出した。
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