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理紫の口元に薄く浮かんだ、嗜虐的な笑みに海月が身体を震わせると、 「…海月、俺から離れられるなんて思うな」 そう言って掴む手を強くし、噛み付く様に口唇を奪う。 「や…っ!」 理紫は、もがく海月を壁と自分とで挟み、動けなくした上で、合わせを深くした。 固いエナメル質で、ふっくらとした口唇を、舌を食まれ、理紫の胸を叩く海月の手は、いつの間にかしがみつく動作へと変わっていく…。 抵抗なんて…、本当になんか出来る訳ない。 こんなに好きなのに…。 あっさりと陥落した海月の身体を抱き締め、理紫はゆっくりと口唇を離した。 そして、海月の耳朶を甘く噛むと、怒りの残る声音で囁く…。 「…俺はもう嫌なんだよ。届きそうな所にいるのに手に入らないのも、いきなり姿を消されるのも」
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