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その言葉を聞いて、改めて海月は自分の罪を思う…。
理紫は高校の時、方法はどうであれ、ずっと海月の事を守ってくれていた。
それを知らなかったとはいえ、苦しさのあまり、卒業と共に理紫から逃げ出したのは自分だったのだから…。
海月はそっと、理紫の背中に手を回す。
ピクン…と理紫の肩が揺れた気がした。
それに、本当にツラいのは悲しいのは、何も言ってくれなかった事ではなくて、海月の為に夢に踏み出さない事でもなくて…。
「…もっと、信用して」
私を…、私の想いを。
「理紫…が、好き。誰よりも、何よりも…」
とめどなく溢れる涙が、理紫の服を濡らしていく。
「分かったから、もう2度と離れるなんて言わないから…、お願いだから、私の為に夢を叶えるチャンスを捨てないで…」
不安にならないで…。
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