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海月の訴えを聞いて、理紫の表情が少し柔らかくなるのが分かる。 そして、「…ったく」呟きながら、長い指で、海月の髪を涙で濡れる頬に沿って梳いた。 「捨てる訳でも、諦める訳でもないって言ってるのに…」 頭上で深い息を吐く。 「…海月はそんなに俺に『西東京レヴァンティン』に行って欲しいの?」 言われて、海月はコクリと頷いた。 髪を撫でながら、もう1度理紫が、今度はハッキリとため息を吐く。 「…分かった。そこまで海月が言うんなら」 思わず、海月は瞳に沢山の涙を湛(たた)えたまま、顔を上げて理紫を見る。 「…思う通りになってやってもいい。俺が《西東京》に行けば、海月は満足すんだろ?」
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