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いきなりの、理紫の信じられない発言に海月が目を瞑(みは)ると、
「…その代わり、海月の全部、ちゃんと俺に寄越せよ。俺はそれだけの事するんだから、その権利が有る筈だ」
そう言って、理紫は何かを決心する様に海月を見つめた。
その真剣な眼差しに海月がコクリと息を飲むと、理紫がフッ…と口元を緩める。
「先ず、明日の遊園地は中止だな…」
「……中止?」
「今日はもう遅いから、明日の午前中に家に連絡とってよ」
どうして、家に?
企む様に微笑う理紫の顔にも、海月は訳が分からなくて小首を傾げる。
すると理紫が口元で拳を作り、我慢出来ないというふうにクックッ…と笑った。
「午後に一緒に伺うから、きちんとご家族に俺の事『今、付き合ってて将来を考えてる』って、自分の口で紹介しろよ」
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