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「…何んで笑うの?」 「いやー、海月ちゃんが純真で嬉しくってね」 口元に握った手の甲をやり、理紫は笑い続ける。 海月はハァ…ッと1つ、ため息をついた。 今でも考えると恥ずかしい…。 高校生の時、毎月、理紫に付けられていた跡。 菜花は見る度に、毎回、痛々しそうに襟元を高めに直してくれたり、カットバンを貼ってくれたりしていた。 その時はそれの意味が分からなかったけれど、理紫とこうなった今ならば、見た人がどう思うか海月にも分かる。 「…どうして、高校の時、いつもあんなことしてたの?」 「あんなこと…?」 「……アト、付けてたこと」 今更だけれども、海月は顔をしかめ、理紫を軽く睨む。 それに対して理紫は『ああ…』っと、悪びれなく、 「ずっと、俺のだって思ってたから」 …サラリとそう答えた。
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