23.

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「う…」 嘘…っ。 「あとは虫除け」 海月が顔を赤らめて、口をパクパクしていると、 「さてっ…と」 言いながら、理紫はベッドの下からシャツを拾う。 「俺、一旦帰るから、ちゃんと連絡しておいて?」 「理…紫?」 「それで時間決まったら、メールしてよ」 立ち上がりながら、あちらを向いてシャツに袖を通すから、綺麗に筋肉のついた背中と肩甲骨が動くのが見える。 「洗面所借りるね」 シャツの釦も留めずにジーンズを履き、バスルームに理紫が姿を消すのを確かめると、海月はパフッ…と枕に顔を埋めた。 頭がクラクラする…。 「もう…、本当にズルい」 海月はうるさい程に高鳴る鼓動を両手で押さえながら、1人呟いた…。
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