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陽子は思い出した様にパチンと両手を合わせた。
「…ごめんなさいね、こんな所で話していても何んだわね。海月もサトくんも、どうぞ中に入って」
嫌がる砂月を理紫から受け取り、2人を家の中へと促す。
「すみません、おじゃまします」
そう言ってから理紫は、どうぞ…と、海月に優しく微笑いかけ、先に家に入らせた。
「ありが…っ…!」
瞬間、右手をキュッと握られ、海月はドキッ…とする。
すぐにその手は離されたが、胸の鼓動は速いまま…。
家に上がりながら、自分の家なのに、こんなに緊張してしまうのは初めてだと、海月は小さく息を吐いた。
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