23.

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陽子は思い出した様にパチンと両手を合わせた。 「…ごめんなさいね、こんな所で話していても何んだわね。海月もサトくんも、どうぞ中に入って」 嫌がる砂月を理紫から受け取り、2人を家の中へと促す。 「すみません、おじゃまします」 そう言ってから理紫は、どうぞ…と、海月に優しく微笑いかけ、先に家に入らせた。 「ありが…っ…!」 瞬間、右手をキュッと握られ、海月はドキッ…とする。 すぐにその手は離されたが、胸の鼓動は速いまま…。 家に上がりながら、自分の家なのに、こんなに緊張してしまうのは初めてだと、海月は小さく息を吐いた。
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