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ひんやりとした廊下を通り、リビングへの扉を開けると、奥で父の誠一がソファーに腰掛けて待っていた。 「お父さん、ただいま」 海月の声に、読んでいた本をサイドテーブルに置いて誠一が立ち上がる。 「おかえり、海月」 優しい笑顔で、海月を迎えるが、後ろから部屋に入ってきた理紫の姿を見て、おや…という顔をした。 理紫が直ぐに『おじゃまします』と言って頭を下げると、 「サトシくん…だよね?」 と誠一が声を掛ける。 「はい、徳井 理紫といいます」 「君は、確か砂月の友達ではなかった?」 柔らかい物腰で面白そうに笑って、理紫にそう聞いた時、バタバタバタと廊下を走る音が聞こえて、扉がバンッと開いた。
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