14875人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさいね、私が砂月に話しちゃったから…」
後からリビングに入って来た陽子が、
「ほら、さっちゃん。サトくん、困っちゃってるわよ」
と両手を出すが砂月はイヤイヤをする。
そんな砂月を理紫は『大丈夫です』と陽子に言って、宥める様に抱き上げた。
海月は訳が分からなくて、その光景を茫然と見ていたが、ある事を思い出しハッ…となる。
ーーーサトくん。
春くらいから、砂月との会話にやたらと出てきた男の子の名前。
てっきり、年長さんになって、新しく出来たお友達の名前だと思っていた。
まさか…。
「サトくん…っ?!」
理紫を指差して、大きな声を上げた海月に、
「…はい?」
と、サトくんが返事をした。
最初のコメントを投稿しよう!