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「…あれは5月の始め位だったかしらねぇ」
陽子が少し考える様に、顎に手をあてて小首を傾げる。
「パパがお休みの時に、いつも行く図書館と、その近くの公園に3人で行ったのよ」
その日、そこの芝生広場でリフティングの練習をしていた理紫の周りに人だかりが出来ていたのだという。
足で上げたサッカーボールを膝下リフしながら跨ぐ様に外回転、内回転させた後、高々と上に上げ、ヘディングをしておでこに乗せる。
そのまま暫くバランスをとったかと思うと、また足元へと落とし、今度は高いリフから背中へと乗せた。
肩リフ、アウトサイドリフ、脚挟みからのヒールリフト…。
初めはそのボール捌きに目を奪われるが、それをキラキラと楽しそうにやっている本人がおそろしく見目の良いコだと気付くと、皆、次にはそちらの方にも見惚れてしまう。
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