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「すみません!」 「いえ…」 走り寄って来たのが砂月の母親だと分かって、砂月を立たせてから理紫が『よっこらせっ…』と自分も起き上がる。 「本当にすみません…。どこかお怪我はされてませんか?」 「平気です」 慌てる陽子に、パンパンと服をはたきながら理紫は答えた。 「もうこの子ったら…!砂月っ、ちゃんとおにいさんに謝りなさい」 「いいですよ」 誰もが魅了される、煌めいた笑顔で理紫が答えると、陽子は本当に申し訳なくなったようで、もう1度『すみません』と謝った。 「本当に大丈夫ですから…。それより、こんなに可愛い子から結婚を申し込まれて、僕、嬉しかったですよ?」 それを聞いた砂月は陽子に、どうだとばかりにニコッと笑う。 「こらっ…。いい気になるんじゃないの」 砂月と陽子のやり取りに、理紫は声を出して笑うと、前屈みになり砂月の頭を撫でて言った。 「…さっちゃん、友達に言われて困ってるなら、僕と結婚する事にしてもいいよ」
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