14876人が本棚に入れています
本棚に追加
ハッ…と気付いた海月は、零さない様に恐る恐るシンクに運んだ。
陽子がふぅっと、息を吐く。
「それは…、サトくんと結婚して、一生、一緒に生きていきたいって事ね?」
わざと重く言われ、海月は弾かれたように顔を上げると、陽子の顔を見て覚悟を決めて頷いた。
「…私も早い方だったけど、みぃちゃんもまた早いわね。大学を卒業したら…と、思っているの?」
海月はふるふると首を振る。
「今…、すぐ」
「今すぐ?」
ケーキを皿に移しながら、陽子が目を眇め、海月の言葉を繰り返す。
「今すぐなんて、2人共大学はどうするの?」
そこまで言うと陽子はある事に気付き「まさか…」と海月に向き直る。
陽子の言わんとする事が分かって、海月は更に大きく首を振った。
「それは、絶対にない…」
最初のコメントを投稿しよう!