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陽子が安心した様に微笑む。
「そう…、それならどうして急ぐ必要があるの?」
海月は思わず言葉に詰まった…。
「それは…」
自分が理紫に約束させた交換条件だから…?
ううん…、何か違う。
交換条件と言うより、それは結局、自分が望んでいる事。
「……もしかして」
気付いてしまった…。
交換条件なら、等価交換の筈。
でも、自分は何も我慢などしていない。
ましてや、結婚という形を取る事で、遠くに行ってしまう筈の理紫への不安まで解消までして貰える。
…結婚は2人で築いていかなくてはならないもの。
今、基盤のない状態でそんな事をしたら、親に迷惑をかけるのは目に見えているのに、そんなの、本来なら理紫がよしとする訳がない。
それでも、私の「今すぐにでも」と言う言葉に何も言わなかったのは、やっぱり…。
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