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理紫は話し途中だった誠一にペコリと頭を下げると、海月に話しかけた。 「海月のお父さんに、色々と話を聞いて頂いたよ」 「うん…」 「…今の俺は何も持っていないから、さすがにお父さんに『今すぐ海月さんを下さい』って、言えなくて、どうお願いしようか考えてたとこ。でも、海月が3年くれるって言うなら、頑張って何んとかするから…」 『待っててくれる?』 サラリ…と海月の大好きな長いしなやかな指先で、愛し気に髪を撫でられる。 思った通りだった…。 理紫は、私が自分自身で気付いていない事も、全部分かってた。 「淋しい想いをさせてしまうと思うけど、なるべく早く迎えに来られる様にするよ」 海月は引き寄せられる様に、理紫に手を伸ばす。 「私が言い出したんだもの!私、大学も卒業して、きちんと就職するから!駄目だった時には、私が働いてるから、大丈夫だから…っ!」 「そうなったら、海月が俺の事、養ってくれんの?」 理紫は海月をぎゅっと抱きしめ返すと、クスリ…と笑う。
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