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「じゃあ、気を付けるのよ。みぃちゃん、なるべく早く家に戻って来なさいよ」 「…はい」 理紫から逃げる為に出た家、今更、戻る事に抵抗はない。 海月は寧ろ、早く戻りたいくらいだった。 陽子が、『もうそろそろ』と帰る準備をした海月と理紫を玄関まで送る。 「サトくん、海月の事、あまり無理させないでやってね。お願いよ?」 「…すみません」 陽子に話し掛けられ、理紫が苦笑いをした。 「私もあまりうるさく言いたくはないの。でも、お互いの為に節度を保ったお付き合いをして欲しいのよ」 「分かります」 申し訳なさそうに言う理紫の横で、陽子が海月の首筋をじっ…と見ているから、言っていることの意味が海月にも分かってしまう。 「みぃちゃんも駄目よ。そんなの付けられていては…」 海月は首筋を隠す様に押さえると、頬を朱く染め、 「……っ!私は駄目って言ったも…」 途中まで言って、それが更に状況を悪くすると気付き、海月は押し黙る。 後ろで理紫が額に手をやるのが見えた。 陽子も腕を組んで、呆れたように首を振る。
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