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「理紫くん…」
改めて名前を呼ばれて、理紫は背筋を伸ばす。
「はい…」
「高校の時のもあなたなんでしょう?」
「……!」
いきなりズバリと言われて、理紫に逃げ道はない。
「でも、そうなったのは最近ね?高校の時は何もなかったって信じていいわね?」
「…はい」
もう理紫は「はい」と返事をすることしか出来ない。
まさか陽子に、デリケートな事をここまで追及されると思ってはいなかった。
参った…。
理紫は手のひらに嫌な汗をかいていた。
次に言われるのは何か…。
娘に手を出した怒りをぶつけられるか、それとも…?、理紫は身構える。
けれども、次に陽子が言ったのは、理紫には予想外の事だった。
「まぁ、海月はいつもボンヤリしているから、あなた位、強(したた)かなコの方が安心だわ」
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