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「ほん…と…に？」
「…いいよ」
返してくれる事でまた砂月が傷付いてしまうなら、いつか、いらなくなる時まで持っていてくれて構わない。
砂月はしばらく理紫の顔をじっと見ていたが、ふっ…と顔を曇らせると、俯いて首を振る。
「どうしたの？」
「…サトくんのおひめさまのだもん」
……賢い子だと思った。
物だけ貰っても、そこに心が伴っていなければ意味を成さない事に気がついたのだろう。
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