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砂月はチィー…と音を立てて、うさちゃんの背中のファスナーを開ける。 そして、小さな手を中に入れて取り出したのは…。 ……指輪? 意を決した様に、海月に差し出してくる。 「…さっちゃん?」 「んっ…」 すぐに取らない海月に砂月は、グイッと指輪を乗せた手のひらを目の前に突き出した。 海月が恐る恐る、その手から拾い上げるように受け取るやいなや、砂月は陽子の元に駆け出して、その足にしがみつく。 これは、一体…。 銀色に柔らかい光を放つシンプルな造りの台に、小さな小さな青い石が埋め込まれている。 ラピスラズリ…? それは12月生まれの海月の誕生石。
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