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ピクン…と砂月が身体を震わせる。
「さっちゃん、ありがとう」
理紫がそう言うと、砂月があちらを向いたまま、ふるっと首を横に振った。
「…また近いうちに、さっちゃんに会いに来ていいかな?」
今度は、コックリと頷く。
理紫はポンポン…と軽く撫でてから、触れている手を離した。
そして、陽子に向かって深く一礼すると、玄関のドアに手を掛ける。
「大丈夫よ…」
声をかけてくれた陽子に、ドアを閉める間際、理紫はもう1度頭を下げると、海月の腕を引いて吉村家を後にした。
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