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…後味が悪過ぎる。
「ちょっと、待って理紫…」
あんなに…、傷つけるつもりはなかった。
「理っ、…きゃっ!」
「……っ!」
理紫がもの凄い速度で歩くから、腕を掴まれていた海月は付いて行くのがやっとで、駆け足状態の足をもつれさせてしまう。
「ごめんっ!…大丈夫?」
我に返った理紫にしっかりと抱き留められて、『大丈夫…』と海月は息を吐いた。
「本当にごめん…」
抱き締める力が強くなる。
でも、抱き締められているのに、こちらが抱き締めているような気持ちになるのは、どうして…?
「…ねぇ、理紫」
海月は近くの児童公園を指差すと、
「あそこで少し休んでから帰らない?」
と、提案をした。
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