24.

25/32
前へ
/640ページ
次へ
「…分かっちゃった?」 理紫が眉を寄せて、困った表情を海月に見せる。 「うん、さっちゃんと話してる内容で分かったよ…?」 「…だよな」 「でもどうして、さっちゃんが持ってたの?」 海月は、一番不思議に思っている事を聞いた。 すると理紫が、口の端を持ち上げ自嘲するように微笑う。 「…俺が狡いから」 「狡い…?」 そして、『言わなきゃ駄目か…』小さな声でぽそりと呟くと、 「…それは、卒業式の日に海月に渡そうと思ってたものだよ」 と、額に手をあてて、ため息を吐いた。
/640ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14876人が本棚に入れています
本棚に追加