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ーーー卒業式っ…て。 「あの日、玉砕覚悟で言おうと思ってたけど…」 理紫が思い出したように苦笑いする。 「海月、体調崩して卒業式自体に出れなかったからね」 海月は何も言えない…。 理紫がそんな事を考えていたなんて、全然知らなかった。 指先が、足先が…、身体の末端と言われる部分が痺れてジン…となる。 「…でも、断られたとしても、拝み倒してでも口説き落とそうとしたと思うけど」 額を押さえた指の間から、理紫が視線を寄越す。 「学校というしがらみから解放されるから、もう我慢するつもりはなかったし、少し重いかも知れないけれど、1番伝わるかと思った」
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