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砂月に指輪を渡したのは、今はもう考えたくもないが想いが叶わなかった時に、いつか海月が目にする事があったなら、自分のこの想いに気が付いてくれたらいいと、その時の祈りにも似た気持ちからだった。 それが、何ヶ月後でも、何年後であっても。 そうでなければ、指輪と自分が可哀想過ぎる…、そんな自分勝手な思いから幼いと侮って砂月の気持ちを傷付けた。 けれども、不安定な今はまだ、海月にそこまで知らせる必要はない…。 「海月…」 責めているつもりはないのに自己嫌悪に苛まれ、名前を呼ばれただけで肩を震わせるコイビトの手を理紫はそのまま引き寄せて身体ごと抱き締める。
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