14876人が本棚に入れています
本棚に追加
その手を理紫がそっと自分の手で包む…。
握り締めた指先を絡めながら解いて、手の中にあった指輪を理紫に取られると、口付けが一層深くなった。
外なのに…、昼間は子供達が遊ぶ公園でこんな事しちゃいけないのに…。
思っていても、甘い口付けに溺らされ、身体に力が入らなくて、海月は理紫にしがみ付く事しか出来ない。
そのまま、ゆぅるりとベンチに横たえられ、海月の力がフッ…と抜けた。
それを見た理紫はクスッ…と微笑い、合わせていた口唇を柔らかくほどく。
「海月…」
囁くように名前を呼ばれて、ゆっくりと海月が瞳を開くと、
「…はめてもいい?」
海月の左手を下から優しく持ち上げて、手の甲に触れるように口付けた。
最初のコメントを投稿しよう!