はんぶんの月〈１〉［無料］⭐️1話で〈1〉の最後まで読めちゃうよ❤️キャンペーン中

25.

「あー…、会いてぇな…」

零す様に呟きながら、俯いて、手を付いたまま伸びをする。

後頭部に当たったシャワーが周りに散っていく。

もう何ヶ月会ってないんだろう…。

『…頑張ってね』

駅のホームで、理紫のシャツの裾を引っ張りながら涙を溜めていた海月が愛しくて、頭を抱き寄せてやると『ふ…ぇ』と泣き出した。

いつも、別れる時に絶対泣かないと言うくせに、毎回必ず海月は泣いてしまう。

理紫はふわっと海月の髪に顔を埋め、旋毛に口付けた。

こんなに可愛い生き物がいていいんだろうか…。