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瞬間、理紫は目を瞠るが桐谷が何を知って怒り、堪え切れずに、ここまで足を運んだのか見当がついて笑いが込み上げてくる。
……またか。
「さ…、理紫?」
おでこに拳を当てて笑いだした理紫を、葉山が心配そうに覗き込んできた。
「葉山さん、口軽すぎ…」
「えっ…、あっ、スマン」
「いくら桐谷さんが学生時代からの友人でも、大学関係の事は守秘義務ってもんがあるんじゃないんスか?」
葉山にしたら、悪気は無しに、ポロリと自分の事を知っている桐谷に漏らしてしまった事は大体想像がつく。
別に責めるつもりはないけれど…。
「まぁ…、いいや」
おたおたする葉山を後目(しりめ)に、理紫は腕組みをし、挑む様に桐谷を見る。
「…それで、もしそうだとしたら、桐谷さんはどうするんですか?」
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