25.

11/19
前へ
/640ページ
次へ
意味有り気に微笑みを深めるその表情は、造りの整い過ぎている分、迫力めいたものを桐谷に感じさせる。 「…どういう事だ、それは」 「俺…、ずっと《レヴァン》で、やりたかったんですよね」 「…な…に?」 桐谷の瞳の色が変わる…。 「だから、そういう事です。《横浜》は、監督経由で練習会に誘われて、何回か参加して、気に入っては貰えたみたいだったんですけど、ずっと悩んでたんですよ」 ダン…ッ…! 「悩むこっちゃなかったろうがっ!」 「恭…っ!」 壁を叩く音と止める葉山の声。 「《横浜》だぞ、《横浜》っ!毎年優勝争いしてて、日本代表だって抱えてる!そこがお前の希望通り、卒業まで待つって言ってたんだろうがっ!欲しかった教員免許だって取ってから、いきゃあ良かっただろうがっ!」 ゼイゼイと息巻く桐谷に、理紫は目を瞠ると呆れた声を出した。 「…アンタ、何んでそんなに熱くなってんです?」
/640ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14876人が本棚に入れています
本棚に追加