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「へぇ…、本当にいいのか?」 意外そうに聞いてくる桐谷に、理紫は肩を竦める。 「今だって、俺が本当は《レヴァン》に行きたかったって言ってやっても、海月はどこかで罪悪感を感じてますから」 あの時、あの状況で《レヴァン》に行くと決めた事で、理紫は海月に枷をつけた。 自分が理紫に対して我が儘を通したと思っている限り、海月の性格上、絶対に理紫を裏切れない。 「《横浜》の件を話したところで、海月が自分を責めてしまうだけだから、黙っておいてやって下さいよ」 教員免許が欲しかったのも、《レヴァン》に行くのを諦めようとしたのも、《横浜》の誘いにグラついたのも……、全部何んの為だと思っている。 …本当に感謝してますよ、恭さん。 お陰で俺は、1番欲しい物を手に入れて、1番望んだ道を進んで行ける…。
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