25.

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「…俺も本当は自分自身が怖いんですよ、こんなに際限なくて」 足だけ止めて、振り向きもせず、理紫が呟く様に言う。 …自分の《好き》には、キリがない。 愛しくて…、欲しくて、どこまでも欲しくて……。 「ただ、いざとなれば、あのコの為に、俺は全てを犠牲にする覚悟はありますから」 海月を失う事に比べたら、何もかもが瑣末なことだ。 桐谷の満足そうな笑い声が響く。 「狂ってんな」 「…狂ってますよ」 そんなの、自分が1番よく分かっている。 理紫もクスリと笑い、片手を上げると、廊下の先へと歩いて行った……。
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