始まりの唄が、聴こえる。

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だからこそ僕は「いつからこの部屋に居たのか」と、訊いた。 それに対して幼馴染であるさやは、少しだけ首を右に傾けると、額にかかる黒髪をさらさらと揺らしながら、まるで蚊が鳴く様な細い声で、 「さっき」 とだけ、答えた。 さやとの会話が弾まないことにも、もう慣れた。
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