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お葬式で見かけたさやは目の下を真っ黒に染めた母親を気遣う様に片時も傍を離れず、時折涙ぐむ母親へハンカチを差し出しては背中をさすり、甲斐甲斐しく世話をしていた。
この時までは、その当時僕が知っているさやそのものであり、僕が大丈夫かと聞いたときも、きっと大丈夫でないだろうに、健気に笑って大丈夫だと言っていた。
今思えば、これが始まりで。
そこから少しずつ、さやの人生と、さやという人間の持つ人間性は、変化を始めていた。
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