始まりの唄が、聴こえる。

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「はぁ……」 なんとなく吐いたため息のつもりだったが、まるで肺の底から全てを吐き出すような、重苦しいため息が、部屋へと響いた。 「……大きなため息」 一瞬、心で思っていたことを、気がつかない内に言葉にしてしまっていたのかと錯覚した。 しかしそれは違ったようで、僕の枕元には、真っ黒いワンピースに白い肌が痛々しくすらある少女が立っていた。
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