始まりの唄が、聴こえる。
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「……さや」 幼馴染の、さやだった。 ベッドに背中を預けたまま見上げるその顔は、つるんと黒い黒目ばかりが目立つ、まるで世界中の何もかもがつまらないとでも言いたげな表情で。 一筋の光も見えない程に真っ暗だからこそ、自分の顔が写り込みそうな、そんな不思議な色をしていた。
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