勇者と魔王

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「今日は色々あったわね…。」 魔王は鏡の前で髪をといていた。 「勇者の事だろ?」 「起きていたの?鏡さん。」 「こんな真夜中に寝てんのは魔王様くらいだぜ。」 鏡と言っても命のある魔境だ。 「そうだったわね。でも何故、勇者様の事を知っているの?」 「おしゃべりなメイドが話してたよ。 …気をつけろよ。魔王様。 なんかいやな予感がするんだ。」 「ふふ。ありがとう。」 「もう眠いだろ?魔王様。半目になってるよ。」 「ごめんね。」 「いいさ。おいらはちょっくら魂とばしてくるぜ。おやすみよ。」 「おやすみ。」 何処に行くのか聞くのは野暮だと 魔王は思った。 思春期の魔鏡が行く所なんて たいてい想像がつくからだ。 頑張ってね。鏡さん。 そう思いながら魔王は自身の倍以上はあるベッドに体をあずけた。 この後なにがあるかも知らず…。
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